【スポーツアイシング】~ケガの応急処置
「ケガをしたときには冷やす?温める?」
患者様から多い質問の一つに「スポーツ現場におけるケガの応急処置」があります。
スポーツの現場では手首を捻ったり、ヒザをぶつけるといった外傷を負うことが見受けられます。
この様な場合には応急処置として、患部を冷却する「アイシング」が最も有効です。
冷やすことでケガの悪化を防ぎ、症状の回復を早める効果があります。
1 医療機関へ行くまでが大切
スポーツ競技者がケガをした際に医療機関を受診するまでの間に患部を冷却したか否かで、現場への復帰までの期間が大きく左右されます。
アイシングをせずに放置すると患部の腫れは大きく広がり症状は悪化の方向へと向かいます。
これは、損傷を受けた組織の細胞以外にも周囲の正常な細胞にまで被害が広がったことを意味します。
2 炎症がみられたらアイシング
応急処置にアイシングを用いる目安としては「腫れ」「痛み」「熱感」です。
捻挫や打撲傷を負うと患部は時間の経過と共に腫れや痛みが増してきます。
次の日になると患部が皮下出血で紫色に腫れ上がり、痛みが増大した経験をされた方もおられると思います。
これは、初期の段階で損傷した筋肉や靭帯に内出血が起こり、周囲の正常な組織にまで損傷が広がったことによるものです。
つまり、適切な応急処置をせずに放置したことによって、ケガの範囲が広がってしまった状態となり状況が悪化してしまったのです。
こうなっては、ケガの治癒も遅れ、結果として競技への復帰が遅れてしまいます。
3 シップ薬でもいいの?
ケガを負った患者様の中には自宅での自主的なアイシングを指示すると「冷感シップを貼っておけばいいですよね?」と言われる方が散見されます。
答えは「ダメ!」です。
ここは強調させて頂く部分ですが「患部をアイシングしろ」と言われたら冷やしてください。
冷感シップは読んで字のごとく「冷たく感じる」シップです。
患部における冷却効果はアイシングとは比べ物になりません。
ただ、シップには「消炎鎮痛剤」という薬効成分が含まれていますので、痛みや炎症を緩和する効果はあります。
捻挫や打撲などのケースでは受傷の初期の段階ではアイシングを行い、腫れが退いてきたらシップを利用すれば回復に効果がみられます。
応急処置には何はともあれアイシング。
シップ薬は治療経過の中盤以降に使うものと考えてください。
4 アイシングってどうして必要なの?
ケガを負うと、その部分が痛みだしたり腫れたりします。
これは損傷を受けた組織の細胞が破壊された状態になったことによって起こる炎症の症状です。
このとき負傷部位において、破壊された組織から細胞液や損傷した毛細血管から血液が流れ出し内出血の状態となります。
これらの体液が周囲の問題のない細胞に浸透することによって正常な細胞までダメージを受けてしまいます。
人間の体は、細胞などの組織が損傷すると新たに組織を再生しようとします。
この過程において炎症反応性細胞から修復物質が分泌され炎症を誘導することによって損傷組織の修復が行われます。
炎症反応はダメージを受けた組織の修復に必要な生体反応です。
ただし、この炎症反応は損傷組織の周囲にある正常な細胞を傷つけるといった副作用があり、さらに炎症反応が過剰になる傾向があるという問題点を抱えています。
アイシングは、その過剰な反応を初期の段階で出来るだけ小さく抑え、損傷部位の周囲にある正常な細胞に被害が及ぶことを防ぐのに効果があります。
アイシングは他にも血管を収縮させて内出血を防いだり、痛みを緩和する作用があります。
5 とにかくアイシングを最優先する!
応急処置としてのアイシングは単独で行われることは少なく、RICEと呼ばれる一連の応急処置の1つです。
「RICE」とは次の英語の頭文字を並べたものです。
⑴ RはRest(安静)
~内出血や腫れ、血管・神経の損傷を防ぎます。
⑵ IはIce(冷却)
~冷やすことで痛みや炎症、内出血を抑えます。
⑶ CはCompression(圧迫)
~弾性包帯などで圧迫し、内出血や余計な腫れを物理的に防ぎます。
⑷ EはElevation(挙上)
~腫れを最小限にするため、患部を心臓より高い位置に保ちます。
これら4つの処置を同時に行うことが患部の腫れや痛みを抑え、回復を早めることに繋がります。
もちろん、アイシングのみを単独で行っても効果はありますが、他の3つの処置との組み合わせがより効果的です。
ただし、RICE処置を全て行うことができない場合もあります。
そのような時にはアイシングを最優先で行って下さい。
6 アイシングってどうやるの?
市販の氷嚢(ひょうのう)を使用したり、ビニール袋でアイスパックといわれるものを作って患部に弾性包帯で固定します。
使い勝手や凍傷を起こしにくいという観点から見みたならば「氷嚢に氷と水を一緒に入れて使う」方法をお勧めします。
アイシングに氷を使う理由としてまず、熱を奪う効率が良いということが挙げられます。
氷には溶けるときに周囲の熱を最も多く奪う性質があり、高い冷却効果があります。
また、氷は周囲の熱を奪うのに効率的であるため、表面に止まらず深部にある損傷した炎症組織まで冷やすことができます。
冷却の時間は20分程度が最適です。
スポーツの現場でケガをしたときには、RICE処置をできるだけ早く行うことが肝心です。
この際の注意点は、凍傷を防ぐために氷嚢を直接肌に当てることの無いように気を付けて下さい。
また、じんましんが出たり、指先などが紫色になって血流が止まっているのを認めた場合には直ちにアイシングを中止してください。
7 応急処置のあと
ケガをして現場でRICE処置を終えたとしても炎症は治まっていません。
腫れはケガの発生から5~6時間後にピークがきます。
受傷時にはたいした症状がなかったので放置していたら、帰宅後に腫れて来たということはよくある話です。
軽度の捻挫であっても受傷後24から72時間は継続的にアイシングをする必要があります。
実際には1時間か2時間に1回、20分のペースで患部を氷嚢で冷却することをお勧めします。
また、飲酒と運動、入浴は控えて頂きます。
ただ、体の清潔を保つためにシャワーを浴びる程度なら問題はありません。
8 「ケガをしたときには冷やす?温める?」のまとめ
ケガをしたスポーツ競技者から「痛いときには冷やすのか?温めるのか?」という質問を頻繁に受けます。
当院では、この質問に対して「ケガの程度、発生からの経過、症状の推移などによるため一概には言えない。現時点において患部はどの様な状態なのかによる」としか回答するしかありません。
ただ、負傷した箇所に「痛み」や「熱感」「腫れ」といった炎症の症状がみられるならばアイシングを選択した方が良いと思われます。
他にもアイシングには応急処置の他にもスポーツ障害の予防やケア、疲労回復の促進などのコンディショニングを目的としたものもありますが、素人には使いこなせるものではありませんので悪しからず。
そういう訳で、以上の通りRICEは応急処置において重要な手段です。
患者様におかれましては、アイシングが適応になるケガには積極的に活用し、ベストコンディションを保ちながら健全なスポーツライフをエンジョイしてください。
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作成者
ていね整骨院院長
柔道整復師 佐藤 貴洋
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